村本建設が掲げる「愛をもっと。」という言葉。
それは、仕事に対してだけではなく、自分自身の好きなものに対しても誠実であることから始まるのではないだろうか。 本企画では、自分の「好き」をゆるく、しかし大切に持ち続けている社員の方にスポットを当てたい。 休日に趣味の世界に向き合う姿勢は、いかにして仕事現場での「愛」へと変換されているのだろうか。
ご自身について教えてください。
田寺
もともとは建築部で現場監督を務めていました。その後、設計部、建築本部を経て、経営企画室に所属しています。最近まで、本社の二階の改修工事に携わっており、主にデザインを担当していました。大学の建築学科で学んできた知識を活かしながら仕事に取り組んでいます。建築は趣味としても好きで、建てることと見ることの両方に魅力を感じています。一人旅で建築を見て回ることが楽しみの一つです。
村本建設大阪本社2階オープンスペース
一人旅にハマったきっかけやこだわりを教えてください。
田寺
学生の頃は友人と旅行をしていましたが、社会人になると予定が合わず、少しずつ一人旅に行くようになりました。訪れた先で友達を作り、自分の世界が広がる経験をしたことで、旅行や建築を見ることが前よりもっと好きになりました。一人旅をするときには、あえて調べすぎないようにしています。昔はウェブの情報を信じて美術館に行ったら休館日だった、というミスもありました。今は不測の事態が起こってもすぐ切り替えるようにしています。心残りに思うことも正直ありますが、「また来よう」と思えるくらいが丁度いいと思っています。そんな風に自分をなだめながら、ゆるく楽しんでいます。
趣味として建築を見るときはどのような点に注目していますか。
田寺
仕事では細かい仕上がりまで注目することが大事ですが、趣味の時はそういう目線ではあまり見ていません。たとえば、京セラ美術館の、洋風の建物の上に瓦屋根が乗っている和洋折衷の外観や、尾道市立美術館の山の上から海の景色が見える立地を、なんかいいなと思ったりします。そんなふうに、仕事よりも広い心で「あ、この空間いいな」と感じることを大事にしています。
尾道市立美術館:2Fロビーにて
田寺さんにとって、趣味に没頭する時間はどのような意味を持っていますか。
田寺
基本的には没頭するというよりは、リラックスして趣味に向き合っています。ただ、好きな建築に出会った際に「なぜ好きなんだろう、自分の心のどこに触れたんだろう」と考えている時間は、ある意味で没頭しているのかもしれません。
一人旅をしていると、寂しくないかと聞かれてショックを受けることもあります。しかし、自分にとっては「一人の時間」と「人といる時間」のバランスをとるために大切なんです。仕事の場で人といると、疲れてしまうこともあります。だからこそ、週末に一人の時間をしっかり作って、自分の感性と向き合ったりする。そうすることで、人といる時間も大事にできると思います。
また、実際に自分の感性に響く建築やアートに触れた時、作った人の美学から「自分もこういうものが作りたい」とインスピレーションを受けたりもします。そうすることで、趣味からエネルギーをもらって、また仕事に向き合う良いサイクルが作れているんだと思います。
村本建設の「愛をもっと」というコンセプトを、仕事をするなかでどのように意識していますか。
田寺
人にこちらの考えを伝えるときは、相手にしっかり伝わるかどうかをすごく考えます。たとえば、本社の改修内容を伝えるとき、建築を専門としていない人だと、平面図だけではどうしても奥行きがイメージしにくいことがあります。そこで、あえて斜め上から見下ろした立体図を描いて、奥行きが伝わりやすいように工夫しています。図面や言葉だけでは理解しにくい部分を、わかりやすい資料を用意して補う。そういう相手への伝わり方に心を砕くことを強く意識しています。
村本建設には、個人の活動や多様な生き方を受け入れる土壌があると感じますか。
田寺
会社としての制度と現場の雰囲気の両方から、そういう土壌はあると感じています。まず制度面では、たとえば社会人として働きながら博士課程で研究している先輩方がいます。会社としてそういった個人の挑戦を認めているのは、何かに打ち込む人を応援する土壌がある証しだと思います。
一方で、福利厚生などの制度も大切ですが、それ以上に「周りの人の理解」が大事だと思っています。今の村本建設には、時代の変化に合わせて多様な生き方を自然に受け入れる雰囲気がありますね。
また、自分と同じように建築が好きな人がいて、出張へ行くときに、一緒に見に行くこともあります。
制度として認められているだけではなく、大切にしているものを尊重し合える雰囲気があることは、お互いの選択肢を広げてくれるので、すごく素敵だなと思っています。
趣味であれ仕事であれ、何かに「愛を注ぐ」という行為は、その人の価値観をどのように変えると思いますか。
田寺
愛を注ぐ対象があることは、自分にとっての生きがいや、モチベーションになり、心の軸や考え方の指針となると思います。
愛を注ぐことは一見、一方的な行為に見えます。でも、実際は気持ちを受け止めてくれる人や、その存在に助けられているんですよね。だからこそ、価値観を前向きに変えてくれるものだと思っています。愛を注ぐ対象を「推し」と呼ぶ人は、「推しに顔向けできない生き方はしたくない」と思ったりしますよね。
私の場合は、趣味や仕事を通して人に巡り逢い、大切にしたい関係性が増えてきました。八割ぐらいは本心で、二割ぐらいはそうありたいと自分に言い聞かせているところがありますが、そういった人たちに対して恥ずかしい生き方はしたくないし、格好よく生きていきたいなと強く思います。
経営企画室・田寺司さん






