今日皆さんはどうやって早稲田キャンパスに来ましたか?
早稲田駅は東京メトロ東西線しか通っておらず、徒歩20分(公式)の距離にJR・東京メトロ・西武線の交差する高田馬場駅がある。居酒屋の立ち並ぶ高田馬場駅までのこの20分は意外と長く、早大生を苦しめ続けている。どうにか楽に馬場歩きしたい。入学以来、そう嘆き続けたマス研企画員に、村本建設様から「それ、実際にできるか試算してみませんか?」と声がかかった。この企画は我々の夢への一歩である。
マス研企画員考案! 夢の空中移動
こうやって馬場歩きしたい!
できることなら歩きたくない!
という企画員の子どもみたいな欲望に、村本建設、つまりその道のプロからコメントをもらった。果たして、私たちの夢は実現可能なのか……?
1. 空中サイクリング
村本建設
楽しそうですね。また、遊び感覚で行けることはいいかもしれません。一般的に空中サイクリングのスピードは平均3km/h程度。スピードは個人差があり、詰まってしまう可能性が高く、利用できる人数にも限りがあり現実的には難しいでしょう。

2. 馬場の上のリフト
マス研
スキー場のリフトをイメージ。早稲田キャンパス駅、戸山キャンパス駅、明治通り駅(中間地点)、高田馬場駅の4つの駅を作り、各駅で合流する。一切体力は必要ないし、技術も必要ない。リフトに広告を付けて格安を目指す。
村本建設
これは空中サイクリングより現実的ですね。高速リフトなら9分程度で高田馬場駅―早稲田大学間を移動でき、サイクリングの4倍・1時間2400人程度を運搬できます。しかし、都心でリフトを建設する高いコストに、その運搬量が釣り合うかどうかという公共性の問題があります。

村本建設考案! 高田馬場直結・早稲田大学
企画員の案がコテンパンに打ちのめされたところで、村本建設の峯村さんはおもむろに1枚の紙を取り出した。「地上がだめなら、地下はどうでしょう?」その手にある企画書には、動く歩道のイメージ図が。つまり……?
もう汗を垂れ流して坂道を馬場歩きする必要はありません。雨の日も雪の日も風の日も、快適に馬場歩きができます。疲れている日はただ立っているだけで高田馬場まで移動できます。そう、地下に動く歩道さえあれば。

恵比寿駅や空港にある動く歩道がイメージしやすいと思います。早稲田大学から地下にエレベーターで下りて、そこから動く歩道で移動し、高田馬場駅でまたエレベーターに乗ります。坂道の移動が馬場歩きで大変なところでしょうが、平坦な道になるのがメリットです。誰でも使えるので公共性もありますし。
お金。これが一番ネックになるでしょう。ざっくりとした予算は大体350億円程度でしょうか。内訳は、動く歩道が9.5億円程度、地下を掘るのに約225億円、駅の設置費用が80億円ですが、これに加えて人件費も必要となります。莫大な金額にはなりますが、広告をいれたり、テナントをいれたり、地上のお店と連携したりすれば、数十年単位で採算はとれるかもしれません。あ、ちなみに計画段階から完成まで完成まで20年程度と考えてくださいね!

350億円。20年。学生の我々にはあまりにスケールがでかい。お金に関しては、オリンピックに比べれば安いことだし、大学が都が国が、どうにかしてくれることだろう!
20年という年月は……それだけあれば空でも飛べるようになっているかもしれないな。そしたら動く歩道は、いらないか。うん。とまあこんな風に我々の馬場歩き計画の夢は潰えたわけだが、将来のことを考えてちょっとワクワクもした。もしかしたら高田馬場周辺の居酒屋を早稲田大学が全部買い取っているかもしれないし、眠っているだけで大学に着くような装置が20年後にはできているかもしれない。夢の乗り物は無くとも、未来には夢しか無いのだ。
マス研
遊園地のように、地上3メートル程度のレールの上を2人乗りのゴンドラでサイクリングする。一生懸命馬場歩きする人々の上を行くので全能感があるが、自転車に乗って移動した方が速い。