突然ですが、みなさん「建設業界」に対してどんなイメージを抱いていますか?
「え?自分には関係ないよ」とか「興味ないね」とか思っちゃってるそこのアナタ!建設の魅力を知ってますか?あなたが思っているイメージとリアルの現場は全然違うかもしれませんよ!
でも、実を言うとワタシもよく知らないんですよね…。ってことで、今回は建設に関する素朴な疑問を尋ねに、建設現場まで行っちゃいました!!

今回密着したのは・・・

大阪大学箕面新キャンパスの学生寮!(12階建て・1棟・344戸)工事を担当する村本建設のみなさんにお話を聞きました!

Q.この工事でかかった費用っていくら?

(左)国人 3回 かとけん
(右)金地正孝 所長

大体43億円かな。内訳を言うと設計費が1億円程度で、維持管理に40年あたりおよそ16億円くらいかかるんだけど、一番は工事費の25億円。しかも中でも一番高いのはやっぱり人件費なんだよね。この工事費をどう振り分けるかとか、どれだけ利益を出すかとかは現場監督の所長の腕にかかっているんだけど、自分のハンコ一つで何千万円の支払いが決まっちゃうからめちゃくちゃ怖いよ!(笑)

Q.職場に何人いるの?

もちろん場所や建設物の規模の関係もあるし、日によって変わるけど、今の現場では職人さんの数は最盛期で大体120人くらいになるよ。それに対して現場で指揮をする監督は4人。少ないって思うかもしれないけど、監督は全員に指示を出してるわけじゃなくて、職人さんの中でも「職長」という役割の人に対してなんだよね。現場監督が校長で職人を生徒とするなら、職長は専門教科の先生みたいなもの。各担当(業種)の指揮監督役なんだ。

(左)工 3回 かずし

Q.基礎はどれくらい深くするの?

(左)工 2回 りかこ
(右)濵川 真愛 現場員

これも一概には言えないんですが、今回の場合は建物の高さ38mに対して、杭の深さは20mほどです。機械で地面を4m掘って16mの杭を埋めてるんです。基礎の深さは地盤の強さと建造物の重さによるんですが、この辺の細かい計算は構造設計者が綿密にするし、その計算のためにも地盤の調査は欠かせません。ちなみに埋立地であるUSJ近くのマンションだと、必要な杭の深さはなんと50m近く!場所によって全然違うんですよ。

Q.工程って一つひとつ丁寧に写真で記録するの?

記録してる!特に特殊な工程や隠れてしまう箇所などは重点的に記録しているよ。カメラで撮影して印刷した写真と、iPadで撮影したデータの、両方でしっかり管理。当然撮った写真は膨大な量になるので、分厚いアルバムは持ち上げるだけでも一苦労。

Q.建設のデジタル化って進んでるの?

進んでます!搬入などのスケジュール管理はGoogleカレンダーのようなアプリで一括管理しているので、職人さんたちも気軽に確認することができるんです。上で言ったようにiPadの活用(写真の記録、図面の確認)もしているし、設計図の3D化も進んでます。半自動化やシステム化などもできるようになって、建設業界もデジタル化の恩恵を受けています。ただ、溶接できるロボットなどは性能が微妙なこともあって全自動化はそこまで普及していないのが現状です...。

Q.時代の変化についてどのようにお考えですか?

建設業界のリアル、どうだった?建設にまつわる様々なものの規模とか、建設のデジタル化の話など、おそらくみんなが建設に対して抱いていたイメージと異なる部分があったはず。世間が日々進化するように、建設業界も日々進化し続けているんだよ。私がこの業界に入った次の年には、紙面上で行っていた設計も次第にパソコンに取って代わられるようになったし、これからも新たな進化の波が来て、大きく仕事の中身が変化すると思う。これまではパソコンは仕事を効率化するものだったけど、もしかしたら次の変化は仕事自体を変えてしまうかもしれない。その変化は私のときのように、君たちが働きだす頃に起きるかもしれないね。

村本建設さん、ありがとうございました!